平成10年4月27日
会員各位
全国有床診療所連絡協議会
会長代行 内藤哲夫
アンケート調査へのご協カのお願い
全国有床診療所連格協議会において、一咋年以来、鋭意「診療所療養型病床群」について、
厚生省並びに日医執行部に陳情を続けておりましたところ、昨年12月医療法の改正が行われ、
今年4月の診療報酬改正によって、やっと実現する運ぴとなりました。会員の皆様もようやく
「病床」としてカウントされるということで大きな期待をお持ちの方もおありだと思います。
しかし、今回、診療所の「療養型病床群」が病床過剰地域においてもその設置が認められる
ようになったとは言え、上限なしに無制限に認められるものではなく、まずは介護力強化病床
からの転換が優先されます。現に存する病院の「療養型病床数」や「介護力強化病床数」から
考えて、有床診療所の「療養型病床群」への転換枠はかなり厳しい状況に置かれることが予測
されます。
つきましては、極力会員の皆様の希望を実現するため、緊急な「意向調査」をすることになりま
した。この調査は、日本医師会や厚生省との交渉時の資料となりますので、早急(5月9日必着)
に御回答下さいますよう宜しくお願い申し上げます。
猶、「診療所療養型病床群」について、次のような条件が付されておりますので、設置要件をよく
お読みいただき多くの会員の申請を期待致しております。
診療所の「療養型病床群」について
平成9年12月の医療法の改正で、10年4月1日から診療所に「療養型病床群」の設置が認め
られた。
以下、このことについて述べる。
【病床過剰医療圏での特例的取リ扱いについて】
診療所療養型病床群も病床規制の対象となり、本来ならば病床過剰医療圏では設置は不可能
であるが、診療所療養型病床群については、「特定病床」の特例として設置が認められた。
しかし、この場合でも次のような条件がつけられている。
@ 平成10年3月31日までに開設の有床診療所に限定。
A 「完全型」の療養型病床群に限定。(但し、廊下幅については転換型の基準でよい)
B 医療圏における診療所療養型病床群の整備目標については、『当該医療圏の療養型病床群
に係わる病床の整備の目標として算定した数から、〔既存の療養型病床群に係る病床の数〕
及び〔介護力強化病床の数のうち療養型病床群に転換するものの見込み数〕を減じて得た
数を基準として都道府県医療審議会の議を経て算定した数の範囲内において、改正法の施行
の際現に存する診療所の病床の転換による療養型病床群(廊下幅に係わる経過措置を除き
完全型に限る。)について、特定の病床に係る特例に追加すること。』とされている。
(※既存の療養型病床群病床数は約7万床、介護力強化病床数は約16万床)
【診療所療養型病床群の施設・人員配置について】
| 【人員配置基準】 |
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| 医師数 |
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| 看護職員数(※1) | 療養病床患者6人:看護職員1人 (※2) | |
| 看護補助者数 | 療養病床患者6人:看護補助者1人 (※2) | |
(※1)看護職員とは看護婦・准看護婦をいう。
(※2)看護職員と看護補助者の配置については、当分の間は患者3人につき1人とし、
そのうち1人が看護職員であればよい。
【診療所療養型病床群の施設基準について】
| 【施設基準】 | 完全型 | 移行型(病床転換型) |
| 病室定員 | 4人以下 | 5人以上可 |
| 病室面積(芯・芯) | 1人当たり6.4平方m以上 | 1人当たり6.0平方m以上 |
| 廊下 | 1.8m以上 両側居室2.7m以上 (註:廊下幅の経過措置に ついては下記※参照) |
1.2m以上 両側居室1.6m以上 (註:廊下幅の経過措置に ついては下記※参照) |
| 機能訓練室 | 機能訓練に必要な広さ・機械・器具の具備(※3) (面積規定なし) | |
| 食堂 | 1人当たり1.0平方m以上 | なくても可(※4) |
| 談話室 | 談話を楽しめる広さ (食堂兼用可) |
なくても可(※4) |
| 浴室 | 身体の不自由な者に適した もの |
なくても可(※4) |
| 必置施設 | 給水施設・暖房施設 | |
(※3)必要な機械器具とは、例えば訓練用マットとその付属品、姿勢矯正用鏡、車椅子、
各種杖、測定用具(角度計、握力計)などである。
(※4)これらは平成11年度までに開設の場合の経過措置。
※ 療養過剰医療圏では、「完全型」が要求される。
※ 廊下幅の経過措置:1.2m以上 両側居室1.6m以上
※ 「療養型病床群」は12年4月以降、「完全型」でしか申請できない。
12年3月までに許可された転換型は、その後も経過措置が適用される。
※ 廊下幅の経過措置を除き、平成12年4月1日廃止、。
(12年3月までに許可された転換型は、その後も経過措置が適用される。)
※浴室は特殊浴槽を設置する必要はない。
【入院料比較表】(※老人で入院2カ月から3カ月の例)
| 診療所療養型病床群 T U |
診療所 (看護2種) |
診療所 老人医療管理料 | ||
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入院医療管理料 |
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療養環境加算 |
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(2種看護・3ヶ月以内) |
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老人 (1ヶ月以上 3ヶ月以内) |
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注:☆印は無意味
※ 以上に加えていずれの場合にも食事療養費が加算される。
※ 「完全型」は、(T)を算定し、「移行型」は(U)を算定する。
※ 療養型の「人院医療管理料」には、看護、検査、投薬、注射および厚生大臣が定める処置の
費用が含まれ、別に算定できない。
※ 画像診断、・リハビリテーション、精神科専門療法、手術科は別に算定できる。
※ 療養型病床群には、長期に亘り療養を必要とする。病状が安定した患者(老人に限定しない)
を主に収容するが、病床の利用状況などの事情からやむを得ず、急性疾患など病状の安定して
いない患者を一時的収容することは差し支えない。なおその場合には、急性疾患でも療養型
病床群の入院医療管理のマルメ点数で算定する。
※ 診療所老人医療管理料(ショ−トステイ)の入院1ヵ月間は一日平均で862点。(2週まで1,094点、
以後659点)
◇ ◇ ◇
国は、「療養型病床群」の整備目標として19万床という数宇を挙げているが、この医療計画の
必要的記載事項に追加された療養型病床群の整備目標は、病院と診療所、双方に関係する問題で
あることから医療関係者にとって重要な課題である。
「療養型病床群」の整備目標は、「介護保険」向けの第一段階と、「医療保険抜本改革での
急性期・慢性期病床の区分」に基づく第二段階に分かれる。この4月以降、各県で対応が必要なのは
「介護保険」向けの病床群の確保問題であり、いわゆる「急性・慢性問題」に基づく最終的な整備目標
は介護保険法施行後になる見通しで、介護保険向けの当面の目標である19万床という数字が大きく
変わる可能性もある。
これは、この夏頃までに実施する介護保険事業計画の基礎となる需要調査の積み上げ結果との
すり合せが必要なためで、加えて介護力強化病院の病床と、介護力強化病院以外の老人病棟の病床が
どの程度療養型病床群に移行するか見極める必要も出てくるからである。
一方、厚生省としては病床過剰地域では、これ以上病床を増やさないという大前提があることから、
有床診療所が特定の病床(特例病床)としての適用を受け、医療計画上、病床カウントされる療養型
病床群の世界に参入してくるのは、望ましいこととは受け止めていない筈である。まずは、現在16万床
ある介護力強化病床の病床転換がどの程度になるかの見極めが各県の医療審議会で優先的に審議
され、そのあおりを受けて有診からの申請は一時的にペンディング扱いとなる可能性がつよい。
以上が、「診療所療養型病床群』をめぐる3月末日までの状況であった。
こういう状況は、有床診療所開設者サイドからすれば、『新しい医療法が施行されても診療所の療養型
はすぐには許可されず、大幅に遅れるか場合によっては参入不可能ということになる。診療所は病院と
ちがって長く待たされた上に、ここに至ってもなお病院優先では、診療所の療養型病床群は結局“画餅”
ではないか』と大いに困惑し、その設置に対する危機感が強くなったのである。
このことについて日医は、
『長期の療養を要する人達にとっては、同じ生活圏内で、日頃から身近で、良く知っている、
“地域に密着したかかりつけ医”である有床診療所に「療養型病床群」を設置することが最も
望ましい形であると主張し、厚生省もこれを認めその作業に入っている。「診療所療養型病床群」は
今回の医療法改正の“目玉”である。病床の転換を希望する方は積極的に手を挙げて欲しい』
と言っている。
1998.5.13
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