(メディファックス2864号 1997年10月29日より)
参院選を控え患者負担増は結論回避の様相も
            与党医療協                     
与党医療保険制度改革協議会(丹羽雄哉座長)は28日、医療品の医療用と一般用
区分、入院時食事療養の標準負担額について厚生省から説明を受けた。丹羽座長は
会合後、「詰まった議論にはなっていない」と述べ、協議は自由討論の段階と指摘した。
次回11月の会合で、高額療養費の自己負担限度額引き上げについて説明を受け、
11月末までに、いわゆる3点セット(一般用医薬品類似薬、入院時食事療養費、高額
療養費の問題)に関する基本的な考え方を提示する予定。ただ、協議会内部には、
来年夏の参院選を前に、患者負担増を回避するムードが漂い始めており、負担額
引き上げなどに絡む明確な結論は、厚生省の医療保険福祉審議会などに委ねる
方向が濃厚になってきた。
3点セットは、来年度予算編成の医療費関連予算4200億円の削減策として注目
されたが、現段階で一般用類似薬品問題の議論は錯綜したまま。入院時食事療養費
の標準負担、高額療養費の限度額引き上げも実際の財政効果は100億円程度と推計
され、政策的な意味合いは小さい。来年夏には、参院選を控えていることもあり、与党協
内部には「厚生省に先駆けて、あえて患者負担増を断行する必要があるかどうか」
(関係者)との声が大勢になっている。
丹羽座長は28日の会合後、会見し、厚生省が医療用と一般用医薬品の区分例として
示した資料について「わからない点が多い」と疑問視。とくに医療用医薬品のPL顆粒が
「葛根湯を入れたら、効果が弱まるということで、一般用医薬品(エスタック顆粒)として
認められている」などとし、両者の線引きが不明確であることを強調した。先にスイッチ
OTCとして認められたH2ブロッカーは「一般用と医療用が同じ名前で使われており、
消費者に大混乱を来す恐れがあり、引き続き監視してよく理解されるようにしなければ
ならない」と注視していく姿勢を見せた。
入院時食事療養費の標準負担額は平成8年10月から現行の760円。6年度の総務庁
家計調査の1人あたり平均食費額と物価上昇率を参考に設定した。与党協では、
標準負担額の見直しを議論するが、家計調査、物価上昇率ともに大きな変動ないことが
予想され、引き上げ論拠は乏しいのが現状。


有床診の療養型病床群転換で経済的支援策を検討             
                          厚生省・谷健政局長
 厚生省の谷健康政策局長は28日の参院厚生委員会(山本正和委員長)で、
有床診療所の療養型病床群への転換について、「地域医療計画との関係で全体としての
(病床規制の)枠をかぶせざるを得ないが、個別の地域の実情を勘案して具体的な検討を
したい」と述べ、地域の実状にあわせて柔軟に対応する考えを明らかにした。病院病床に
転換については、医療施設近代化施設整備事業による国庫補助や、診療報酬の療養型
病床群移行計画加算などの経済的支援策があり、谷局長は「医療法改正案が成立したら
施行までの間に病院を参考にして転換促進策を検討したい」とした。「廊下幅」などの設備
構造基準には特例を認める考えを明らかにした。田浦直(自民)氏の質問への答え。
 一方、羽毛田老人保健福祉局長は、デイケアが非該当者で算定され、国保財政を圧迫
しているとの批判に、「問題意識としてもっている。老人デイケアも運動障害を要件として
おり、ある種の介護。(介護保険制度成立後に)医療保険サイドのデイケアがいるか、
関係審議会で検討してもらう」と述べた。

 1997.11.3記



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