豊和クリニック 和田 弘            

       産科から療養病床へ

昭和59年に産婦人科を開業して、順調な経過で4年が過ぎた時に肺塞栓症
による妊産婦死亡があり、
以後分娩数が徐々に減少していきました。

そのような時に、55歳の更年期障害で通院している外来患者の話の中で、

「今88歳の寝たきりのおばあさんの看病をしているが腰が痛くて、夜も眠

れない状態で自分の方が先に死んでしまう。」
という。そこで何気なしに
「4〜5日おばあさんを預かりましょうか?」と言ったところ是非お願いし

ます。という返事が
あり、翌日からその為ばあさんが入院してきました。
これがきっかけになり、平成7年に19床のうち11床を診療所老人
医療管

理の申請をしました。外来の待合室に「老人の介護で困っている人は当院で
お預かりします。気軽に相談してください。」
と張り紙をしたところ、6ケ

月を過ぎた頃には産科よりも老人入院が多くなり、平成10年産科を止め、
診療所療養型病床群
を18床申請し、現在18床全部医療型の療養型病床群

でほぼ満床の状態でまわっています。
 外来は婦人科・内科・小児科を
標榜していますが、やはり婦人科の患者が
主であり外来数は減っています。

 医療法人としての展開は、
平成9年5月老人
保健施設志摩豊和苑開設・訪問看護ステーション開設

平成11年9月老人保健施設鳥羽豊和苑開設
平成12年4月
グループホーム(9人入居)開設

産婦人科医として30年になりますが、平成7年を境として老人医療福祉に方
向を転換
したことは私にとって大変勇気のいる決断でした。が、今はこれで良

かったと思っています。その理由として少子高齢化
の時代にあっている、医療
訴訟になるケースが少ない、分娩がなくなり精神的ストレスがなくなった、地

域医療に貢献して
いる(産科より老人医療の方が)等があげられます。
 産婦人科の先生方で私のように老人福祉医療に転換されるケースは
結構おら

れると思います。私の場合、地域調査、収支予測による銀行融資の交渉、書類
作成等、診療をしながらでは
なかなか出来ない事をして頂ける有能な人物にめ

ぐり会ったことによる結果だと思っています。

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 2001.8.11