在宅福祉サービスの沿革

老人福祉法は、昭和38年7月11日公布以後、さまざまな制度充実が図られてきた。 現在の老人保健福祉サービス

が形成されるに至った大きな変化は、昭和58年の老人保健法施行、平成2年の福祉8法改正等が挙げられるが、

老人保健福祉サービスの理解を深めるためにも昭和38年の老人福祉法施行前の制度や社会通念、老人福祉法施行

以後の変遷をここに取りまとめることとした。

1  老人福祉法施行前

戦後の高齢者に関する施策は、老人福祉法施行以前、生活保護法等の施策によって対応されてきた。一方、戦前の

高齢者対策に遡ると、主要な救済制度の中に高齢者対策が講じられていることが判る。

(1)戦前の老人福祉施策

老人福祉を遡ると、老人福祉法以前はいわゆる公的扶助の一環として実施されてきており、更に古くは推古天皇

(592〜628年)の時代に聖徳太子が四天王に設立した日本における最初の収容保護施設(敬田院、施薬院、悲田院、

療病院)の一つである悲田院は、「孤幼・孤老」が対象とされており、文献の多くはこれを起源として紹介している。一方、

法令関連は、大宝元年(701年)に制定された法令である。「大宝律令」まで遡り、戸令(718年)に規定してある救済制度。

後に55年にわたって施行された恤救法(明治7年(1874年)〜昭和4年)が主要な法令として挙げられるが、いずれも基本

観念は、家族あるいは地域で要援護者を扶養するといった、いわゆる家族・隣保相扶に基づく考え方が主流であった

ため、恤救法時代に公的扶助への動きはあったものの、成立には至らなかった。後に昭和4年(1929年)公布、昭和7年

1月1日施行された救護法によって公的扶助としての体を成すに至り、戦後の福祉法へと変遷するわけであるが、戦中

時代という背景からわかるように、ごく限られた制度であったことは否めない。ここに記載した主要な各法令の対象者

には、65歳以上の者等といった年齢的な表記で高齢者対策が講じられており、扶養関係の位置づけ等の違いこそあれ、

要援護者としての認知がなされていたものと理解できる。

(2)戦後の老人福祉施策

戦後の老人福祉施策については、昭和38年の老人福祉法制定までの間は、昭和21年9月9日に制定された旧生活保護

法、昭和25年5月4日制定の生活保護法と引き継がれてきた。昭和25年制定時の生活保護法第38条「保護施設の種類」

第1項第1号には、「養老施設」が掲げられており、養老施設の定義は、同条第2項に「養老施設は、老衰のため独立して

日常生活を営むことのできない要保護者を収容して、生活扶助を行うことを目的とする。」とされていた。当時の養老施設

の措置については、生活保護法第30条第1項において、「(前略)〜生活扶助は被保護者の居宅において行うものとする。

但し、これによることができないとき、これによっては保護の目的が達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、

被保護者を養老施設〜(中略)〜収容を委託することができる。」ものとされていた。同条第2項に「被保護者の意に反して、

収容を強制しうるものと解釈してはならない」という規定こそあったが、第1項の解釈では「被保護者の同意を要しない、

且つその決定に対し被保護者は服従の義務を負う」ものとされていた。一方、法制度の中で65歳以上を老人と呼ぶことに

ついては、救護法第1条第1項に明確に規定し、後の生活保護法では、運用上の取扱として「一般的には社会通念に従って

65歳程度以上を取り扱い、身体的または家庭的に特殊事情のある者については特別の取計をなすことが適当」という解釈

をしている。

2 老人福祉法の制定(昭和38年)

老人福祉法が公布・施行された昭和37〜38年は、折しも戦後復興が一段落し、東海道新幹線の開通、東京オリンピック

の開催準備等といった発展の時代であった。また、新民法下における家族制度の改革、核家族化が急速に広まった時期

でもあり、老人問題が急速にクローズアップされた。そこで、客観性を高めるために、まず、法制定の経緯を確認すること

としたい。

(1) 法制定の経緯

昭和38年8月1日に施行された老人福祉法について、まず昭和38年7月15日付社発235号厚生事務次官通知「老人

福祉法の施行について」を引用しながら法施行時を振り返ってみたい。なお、この通知は、現在の「老人福祉関係法令

通知集」にも掲載されているので、詳細を読む場合はそちらを参照していただきたい。

ア 老人福祉法施行の趣旨

「戦後における老人の生活は、社会環境の著しい変動、私的扶養の減退等により不安定なものとなり、さらに老齢

人口の増加の傾向と相まって一般国民の老人問題への関心はとみに高まり、老人福祉のための対策の強化が強く

要請されている現状である。このような状況に対応して、老後における所得保障の体制を整えるため、既に昭和34年

には国民年金法が制定されたのであるが、されに進んで児童福祉法、身体障害者福祉法等に対応すべき老人福祉

法を制定し、老人福祉に対する社会的責任の存在を明らかにすることが各方面から要望されてきたのである。

一方、老人福祉施策は、その関連するところが極めて広範囲にわたる関係もあって、法制上区区にわたり、かつ、

必ずしも十分でない現状にあるので、この際単一の法律を制定し、可能な限りこれを総合的に体系化し、その強化充実

を図ることが老人福祉の向上のために極めて緊要であることにかんがみ、本法の制定をみるに至ったものである。」と

されている。

イ 法律の目的について

「本法の目的は、従来必ずしも明確でなかった老人福祉の関する原理を法律上規定することによって、老人福祉に関

する国及び地方公共団体の施策並びに老人及び一般国民の心構えについていわば指標を与えるとともに、老人に対し、

その心身の健康保持及び生活の安定のための必要な措置として、健康診査、老人ホームへの収容、老人福祉施設の

整備等の具体的な施策を実施し、もって老人の福祉を図ることにあること。」とされている。

(2)法施行時の事業体系

老人福祉法施行時の事業体系は、健康診査、老人ホームなどへの措置、在宅サービス、余暇活動への支援の4点に

分類できる。

ア 健康診査(老人福祉法第10条)

昭和58年に老人保健法が施行されるまでの20年間は、老人福祉法に位置づけられ、年一回実施が義務づけられていた。

制定当時は、一般検査と精密検査に分けられ、後にねたきり老人等で集団検診が受診できない者に対して訪問診査が

創設され、昭和44年からは一般診査が、昭和45年からは精密診査が実施された。 しかしながら、受診率は低く、わずか

15パーセント(昭和41年厚生省調べ)であった。

イ 老人ホーム等の措置(老人福祉法第11条)

これまでの生活保護法において実施されていた養老施設へ収容した老人は、老人福祉法施行時に養護老人ホーム

措置者として位置づけられ、同時に医療扶助を除き、生活保護法の適用からはずされることとなった。収容措置は、

当時養護老人ホームと特別養護老人ホーム、更に養護受託の3種類とされていた。なお、老人福祉法第14条には、老人

福祉施設の種類として、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センターが位置づけられ、

また、29条には有料老人ホームが位置づけられており、現在とほとんど変わらぬ体系をなしていた。

ウ 老人家庭奉仕員(老人福祉法第12条)

老人家庭奉仕員は、在宅福祉サービスの中核を果たした事業である。この家庭奉仕員制度(ホームヘルプサービス)は、

1849年イギリスのリバプールユダヤ婦人慈善協会に源流があり、我が国では昭和31年にこのイギリスのホームヘルプ

サービスを参考に長野県上田市、諏訪市など13市町村において開始したのが始まりといわれている。

国が法(要綱)で定める国庫補助の在宅福祉サービスとしては、老人福祉センター、老人クラブを含め老人家庭奉仕員の

3事業だけであり、利用者に対する直接的な福祉サービスは老人家庭奉仕員だけであった。「老人家庭奉仕員事業及び

老人福祉センターの助成について」(昭和37年4月20日付 社発第157号厚生省事務次官通知)なお、老人家庭奉仕員の

対象者は、老人家庭奉仕事業運営要綱の派遣対象を見ると、次のような整理となっている。「(前略)〜老衰、心身の障害、

傷病等の理由により、日常生活に支障をきたしている老人の属する要保護世帯とする。〜(中略)〜要保護老人世帯数の

中に占める被保護老人世帯の割合は、概ね50パーセント以上とする。」と規定されている。また、基本的な派遣の内容が

示され、更に派遣回数や奉仕員一人当たりの担当世帯数(奉仕員一人当たり概ね6世帯)等といった部分まで詳細に規定

されていた。なお、当時のヘルパー補助基準額は、一人月額12,000円である。


3老人福祉法の施行〜老人保健法の制定 (昭和38年〜昭和58年)  

老人ホーム保護措置を核とした老人福祉法がスタートして約20年経過した昭和58年は、老人福祉法の大きな変革が

あった。 これまで老人福祉法に含まれていた保健部分については、老人保健法の制定に伴い同法に移され、

昭和58年以降純粋に老人福祉法は、福祉制度と位置づけられるに至った。昭和38年から昭和58年に至るまでの

経過を在宅福祉中心に振り返ることとしたい。

在宅福祉サービスの変遷

法施行と同時に開始された「老人家庭奉仕事業」は、昭和40年4月1日付で「老人福祉法による老人家庭奉仕事業

の実施について(通知)」が厚生省から出され、対象者については「(前略)〜老衰、心身の障害、疾病等の理由により、
日常生活を営むのに支障がある老人

の属する低所得の家庭であって、その家族が老人の養護を行えないような身体的、精神的状況にある場合とする。」と

規定され、サービス対象者は極めて限定的なものとして位置づけられていた。その後、昭和43年にねたきり老人家庭

奉仕員事業を加えると同時に重度身体障害者、重症心身障害家庭奉仕員との一体的な運営が図られ、更に昭和44年

からねたきり老人対策が「ねたきり老人対策の実施に伴う留意事項等について(通知)」(昭和44年5月17日)によって

台帳等基礎帳票の整備が明確に示され、更に日常生活用具給付(貸与)事業が行われることとなった。昭和47年度

には、在宅老人福祉対策事業として「在宅老人福祉対策事業の実施及び推進について」(昭和47年6月1日社老第62号

社会局通知)が出され、これまでの在宅福祉サービスが大幅に再編され、大別して「ねたきり老人対策事業」、「ひとり

暮らし老人対策事業」、「生きがい対策事業」の3つの柱で運営されることとなり、サービスの柱立てが整ってきた。後に

昭和53年からは、「ねたきり老人短期保護事業」(後の短期入所運営事業)が、昭和54年からは、「老人デイ・サービス

事業」が相次いで事業化され、昭和50年代に入って、現在の老人福祉法の在宅法定事業が整ったことになる。振り返れ

ば昭和50年代は、老人福祉法の充実の時期であったと言え、利用者の限定(低所得者)等が日常生活用具を除き撤廃

されるなど、サービスの拡充が図られた画期的時期と言える。昭和58年に至るまでの経緯を主要事業単位で整理すると

次のとおりである。

(1)老人家庭奉仕員派遣事業

昭和38年の法制定時から実施されている「老人家庭奉仕員派遣事業」は、昭和57年9月8日(社老98号及び99号)通知

により、所得制限を撤廃し、一般家庭でも利用できるようになった。この99号通知(「老人家庭奉仕員派遣事業運営の

改正点及び実施手続等の留意事項について」)は、これまでの制限の多かったサービス体系を改め、大幅な弾力化が

図られた。なお、改正点の一つである臨時的介護需要への対応により、介護人派遣事業の二本立ての運用が不要と

なったことから、同事業は廃止された。

  99号通知の主要な点は次のとおりである。

臨時的介護需要に対応

所得税課税世帯への派遣拡大(有料化)

老人家庭奉仕員の広報(積極的な周知)

(2) ねたきり老人短期保護事業

昭和53年度から事業化された「ねたきり老人短期保護事業」(後の短期入所運営事業)の創設当時は、事業実施

主体が都道府県及び指定都市とされ、特別養護老人ホームに限定されていたほかは、所得制限もなく現行のショ

ートステイ事業と同様なのもであった。 後の昭和55年度からは、実施主体が市町村に変更された。このねたきり

老人短期保護事業は、昭和48年に神奈川県が県立七沢老人ホームの空きベット有効活用のために、入所者が入院

などをした際の措置解除までの期間(2カ月)の範囲で利用できるようにしたのが始まりである。

(3)老人デイ・サービス事業

昭和54年からは、「老人デイ・サービス事業」が事業化された。このデイ・サービス事業が創設された当時の要綱

には、次のような規定が盛り込まれており、当時の規定が継承されて現在に至っている。 

    1施設当たりの登録人員  150人程度   

   1日の利用人員       25人程度   

    1人当たりの利用頻度   週1〜2回   

   事業運営           週6日44時間を標準 

   送迎              概ね20人程度乗車可能な中型バス
                    そのうち5人程度は車椅子のまま 乗車できる
                    設備を有するものとする。 

 また、昭和55年度からは、デイ・サービス事業が通所サービス事業と訪問サービス事業に分化され、現在の訪問

事業分となる「入浴サービス事業」「給食サービス事業」「洗濯サービス事業」が追加された。この訪問事業は、対象

として創設当時から身体障害者を含んでいた。

(4)その他のサービス

その他の在宅サービスとして、昭和48年度からひとり暮らし老人(所得制限はない)を対象とした「老人ホームに

おける食事サービス事業」が事業化された。この事業は、原則は老人ホームにおいて食事を提供することとされて

いたが、それにより難いときは対象者の家庭に宅配することも認められていた。

参考   昭和47年当時の事業体系

(ア) ねたきり老人対策事業

a●老人家庭奉仕事業(低所得者に限定)(昭和38年〜) 

  創設当初と特段サービス内容の変化はないが、派遣回数は週1回から週2回以上という規定に変更され、充実

  が図られた。

b●日常生活用具給付(貸与)事業(低所得者に限定)(昭和44年〜)  

  特殊寝台、マットレス、浴槽、湯沸器の4品目(特殊寝台以外は給付) 

 (4品目は昭和47年時点の品目。当初は特殊寝台と、マットレスのみとされており、特殊寝台の貸与規定の表記は、

 「特殊寝台の貸与期間は、貸与を受けたねたきり老人の特別養護老人ホームへの入所、その他の事情により当該

 特殊寝台を必要としなくなるまでの間とすること。」と規定されていることからも、施設入所の待機期間の経過的サー

 ビスであることがわかる。

(イ)ひとり暮らし老人対策事業

a●老人電話相談センター設置運営 

 (昭和46年〜昭和50年、以後老人福祉電話設置事業として昭和51
年度に移行)(原則として所得税非課税

 世帯) 
  

 具体的には、「福祉電話の貸与」で、センターの活動は次のとおりである。

   (a)ひとり暮らし老人等に対する電話訪問 

   (b)電話による各種の相談及び助言   

   (c)ひとり暮らし老人等に対するサービスの提供 

   (d)その他必要と認められる事項

b●介護人派遣事業(昭和46年〜)(原則として所得税非課税世帯)

 この介護人派遣事業は、後に廃止した事業であるが、当時はひとり暮らし老人対策の一つとして、市町村がひとり

 暮らし老人に対して「介護給付券を交付(申し出の際に2日分程度、地理的条件により予め 交付する場合は6日分

 交付)し、ほぼ現行のホームヘルプサービスの  家事援助と同じ項目を「介護内容」としていた。なお、1日分は介護

 給付券2枚であり、通常は4枚(2日分)の交付で あった。また,家庭奉仕事業とは異なり、サービス提供側の研修規定

 等は定めら れていなかった。

(ウ) 生きがい対策事業 

 生きがい対策としては、次の4事業が行われ、現在も引き続き実施されている事業、改廃止した事業等がある。

a●老人就労あっ旋事業

b●老人クラブ助成事業(昭和44年〜)

c●老人社会奉仕団活動助成事業

d●老人スポーツ普及事業


4老人保健法の施行〜福祉8法改正(昭和58年〜平成2年)

(1) 老人保健法制定

老人保健法は「本格的な高齢社会の到来に備えて、総合的な保健医療サービスを提供すると共に、その必要な

費用を国民が皆で公平に負担すること」をねらいとして創設された。 昭和36年に国民皆保険が施行され、保険の

給付率の引き上げなどによる制度の改善が行われ、昭和48年に自己負担分全額公費で支給する老人医療の

無料化制度が発足した。しかしながら、狭義の医療と医療費の保障に限られていたことに対して、医学の進歩と

治療から予防、リハビリテーションへと包括医療・包括保健の重要性が認識されるに至り、老人保健法が昭和57年

8月に制定(昭和58年2月施行)された。

これに伴い、老人福祉法に定められていた保健事業が削除され、老人福祉法は福祉単独の法となったが、後に

老人福祉計画、老人保健計画でも判るように、一体的な運用を行い、現在に至っている。 

老人保健法の基本的な法体系は、平成4年度から開始された老人訪問看護事業と検診項目の変更を除けば現在

でも特段の変化はない。

(2)福祉サービスの変遷

在宅三本柱と位置づけられる「老人家庭奉仕員派遣事業」「ねたきり老人短期保護事業」「デイサービス事業」と

いった基本的な在宅サービスが整備され、平成2年の法改正に至るまでのこの間は、これまでの在宅サービスが

急速に充実した時期である。

 特筆すべき点は、昭和63年度末(平成元年3月30日)の中央福祉審議会、身体障害者福祉審議会、中央児童福祉

審議会の福祉関係3審議会合同分科会の「今後の社会福祉のあり方について(意見具申)」、平成元年度末に

厚生省、大蔵省、自治省の3省により策定された「高齢者保健福祉推進十か年戦略」であり、平成2年の福祉8法改正

の基礎となったものである。

 このほかにも社会保障制度審議会の「老人福祉の在り方について(建議)」(昭和60年1月24日)において、在宅

サービスの充実を掲げており、特に「高齢者保健福祉推進十か年戦略」では、在宅サービスを「緊急整備」として位置

づけ、国、都道府県、市町村が一丸となって整備するに至った。 なお、この間におけるサービスに変遷としては若干

の見直しがあったものの、特筆するものはなく、既存サービスの充実に重きを置いていた。

5 福祉8法改正〜老人福祉、

計画老人保健計画の策定(平成2年〜平成5年)

老人福祉法に関する主な改正点としては、在宅サービスの積極的な推進を主眼として、ホームヘルプサービス、

短期入所、デイサービス等の各サービスを「居宅生活支援事業」と位置づけ、法定事業化し、平成5年度までに

「市町村老人福祉計画」及び「都道府県老人福祉計画」を策定することとを法で明記し、(併せて老人保健法でも同様

に保健計画の策定が義務づけられた。)次のとおり4段階に施行された。

(1) 改正法律

 ア  老人福祉法

 イ  身体障害者福祉法

 ウ  精神薄弱者福祉法

 エ 児童福祉法

 オ  母子及び寡婦福祉法

 カ  社会福祉事業法

 キ  老人保健法

 ク 社会福祉・医療事業団法

(2) 施行時期

 
ア  社会福祉・医療事業団の基金の設置、老人福祉法における指定法人関係(公布の日から3ヶ月以内で制令に

   定める日)

 イ 在宅福祉の推進、障害者関係施設の範囲の拡大関係(平成3年1月 1日)

 ウ 社会福祉協議会及び協同募金、有料老人ホ−ム関係(平成3年4月 1日)

 エ  措置権委譲、老人保健福祉計画関係(平成5年4月1日)

参考資料  法改正に至る経緯

    平成2年 
     3月31日 中央社会福祉審議会に制度改正要綱諮問  

     4月2日 身体障害者福祉審議会及び中央児童福祉審議会に諮問 

     4月13日 社会保障制度審議会への諮問  

     4月18日 中社審、身障審、中児審答申   

     4月19日 社会保障制度審議会答申    

     4月27日 閣議、第118回国会提出  

     6月8日  衆議院本会議において趣旨説明及び質疑  

     6月12日 衆議院社会労働委員会において提案理由説明  

     6月14日 同委員会において質疑    

     6月15日 同委員会において質疑及び採決 衆議院本会議において採決 

     6月18日 参議院本会議において趣旨説明及び質疑  

     6月19日 参議院社会労働委員会において提案理由説明及び質疑 

     6月21日 同委員会において質疑及び採決  

     6月22日 参議院本会議において採決、成立   

     6月29日 公布(法律第58号) 

6  老人保健福祉計画〜介護保険制度創設に向けて(平成5年〜)

(1)老人保健福祉計画の策定 

平成2年の老人福祉法等の改正によって、平成5年度中に老人福祉法には老人福祉計画を、老人保健法には

老人保健計画を市町村及び都道府県  が策定することが義務づけられた。

これに伴い、全国の市町村では、厚生省が示した「老人保健福祉計画について」(平成4年6月30日)の「市町村

老人保健福祉計画作成指針」に基づき、高齢者全体や要援護高齢者、介護者の状況を把握するための実態調査

を経て市町村老人保健福祉計画を策定した。

 一方、都道府県においても、市町村老人保健福祉計画の達成に資するため、各市町村を通じる広域的な見地

から、老人保健福祉施設の目標量  等を定めた都道府県老人保健福祉計画を策定した。

なお、神奈川県においては、厚生省が示した作成指針を基に、本県の  独自性などを考慮にいれた、「市町村

老人保健福祉計画策定に関する神奈川県指針」を作成し、各市町村では地域の実状に沿った計画が策定された。

また平成6年1月には、市町村計画の積み上げを基本とした、県計画「かながわ高齢者保健福祉計画」が策定され

たところである。

現在、各市町村及び都道府県では、この計画に盛り込まれた目標達成に向けてさまざまな施策に取り組んでいる

ところである。

(2) 介護保険制度創設に向けて

ア  介護保険制度の趣旨


介護保険制度は、こく面の最大の老後不安となっている介護問題に対応するとともに、社会保障制度の構造改革

の第一歩として、現行の老人保険制度と老人福祉制度とを再編成し、保健・福祉・医療にわたる介護サ−ビスを

一体的・効率的に提供する制度を目的とするものである。  

介護保険制度の検討経過を見ると、平成5年度末に高齢者社会福祉ビジョン懇談会がまとめた「21世紀に向けた

介護システムの構築」が最も古いとされており、法案作成に至るまでは多くの審議等を踏まえ、平成8年11月29日、

第139臨時国会に「介護保険関連3法案」を提出。その後第140通常国会において継続審議中である。なお、法案が

可決された場合、保健・医療・福祉の各制度から16のサ−ビスが介護保険制度へ移行し、社会保険方式の中で

サ−ビスが供給されることとなる。

イ 介護保険制度創設に向けての経緯

<平成6年>

  3月   ●21世紀福祉ビジョン(高齢者社会福祉ビジョン懇談会)

        ●21世紀に向けた介護システムの構築と題して新たな介護システムの構築を進めていく必要があると

         指摘

  4月13日 ●「高齢者介護対策本部」の設置

         高齢者介護サービスの中身と提供の在り方をもう一度「一から考え直してみよう」という試みが始

         まった。

   9月   ●社会保障将来像委員会第二次報告

        ●高齢化と長寿伸張によって高まっている老後に要介護状態への不安を解消するためには、施設の

         整備や人材の養成確保など介護供給体制の整備を図り、公的な介護保障制度を確立していくことが

         必要。

        ● 将来的には財源を主として保険料に依存する公的保険制度を導入する必要がある。

   12月   ●新たな高齢者介護システムの構築を目指して<要約>

        (高齢者介護・自立支援システム研究会:厚生省)

        ●「高齢者の自立支援」を基本理念とし、高齢者介護に関連 する既存制度を再編成して新介護シス

         テムを創設。

  12月   ●新ゴールドプラン(大蔵、自治、厚生の3大臣合意)  

         ●より効率的で国民誰もがスムースに利用出来る介護サービスの実現を図る観点から、新しい公的介護

         システムの創設を 含めた総合的な高齢者介護対策の検討を進める。 

<平成7年>

  2月14日 ●新介護システム審議開始(高齢者介護対策本部)

  7月4日  ●「社会保障審議会」の勧告  

         ・「社会保障体制の再構築(勧告)について」

  7月26日 ●「老人保健福祉審議会」中間報告

          ・ 「新たな高齢者介護システムの確立について」

  9月    ●介護給付分科会・制度分科会・基盤整備分科会設置

  12月4日●全分科会の開催終了

<平成8年>

  
1月31日●老人保健福祉審議会(第2次報告)

   4月22日●老人保険福祉審議会の最終報告 

        保健制度について意見が分かれているのも含めて、論点毎に議論を整理

   5月   ●介護保険制度試案を老人保健福祉審議会に対し2度にわたって提示

   6月6日 ●介護保険制度案大綱を老人保健福祉審議会等に諮問

   6月10日●介護保険制度案大綱について、老人保健福祉審議会より答申

   6月17日●介護保険制度創設に関する与党合意事項・ 関係者の意見を踏まえつつ、要綱案を基本として

         懸案事項についての解決を図りながら必要な法案作成作業を行い次期通常国会に法案を提出する。

   6月25日●与党介護保険制度の創設に関するワーキングチーム設置 

        7月〜9月ワーキングチーム全国6カ所で地方公聴会

   9月19日●全国市長会・全国町村会において了承 

        介護保険法要綱案・修正事項に関する与党合意

        ○市町村に対する財政面・事務面での支援の強化

        ○ 平成12年から在宅・施設を同時実施など

   10月31日●三党政策協議による合意     

         介護保険制度については、三党において、選挙前に取りまとめた内容で次期臨時国会に法案を

         提出し、成立を期す。

   11月29日●第139臨時国会に「介護保険関連三法案」提出

   12月13日●「介護保険関連三法案」衆議院本会議において趣旨説明(同日付衆)厚生委員会付託)

    12月17日●第139臨時国会閉会、「介護保険関連三法案」継続審議

<平成9年>

   1月20日●第140通常国会において継続審議

   ● 参考●   各界の主な提言     94.12. 日本医師会「高齢社会を迎えるに当たって(中間まとめ)

                            95. 4. 健康保険組合連合会「公的介護制度について(当面の考え方)」)

                           95.2. 日本労働組合連合会「連合介護・福祉フォーラムアピール」)

                              (参考文献:高齢者介護保険制度の創設について ぎょうせい刊)     




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