病院との入院基本料格差是正を
全国有床診療所連絡協議会会長 内藤哲夫氏
現行の診療報酬体系には多くの不合理な点が見られるが、一番大きな問題は、
有床診療所と病院との入院基本料の格差だ。改訂ごとに大きくなって、病院での
最低のT群入院基本料5(初期加算と合わせて1,223点)と有診の最高の
入院基本料T(初期加算と合わせて712点)では1床当たりの1日5,000円
以上、19床で年間3,000万円以上の差がある。有診と病院では規則も違い、
全く同じにとは言わないが、何とか2,000円くらいアップして3,000円程度の差
にしてほしい。現状では赤字が続いて経営が成り立たず無床に転換したり入院
機能が事実上休止状態に陥るケースが少なくない。
有診で入院基本料T(看護師10人以上)を取っているところは全国でも非常に
少ない。基本料2(看護師5人以上)との間に例えば「看護師7人以上」くらいの
ものを入れてはどうか。また、病院のように看護補助者もカウントできるようにし、
初期加算も14日まで取れるようにしてほしい。
これらは、医療法第13条(48時間条項)の無条件撤廃とともに我々が長年一貫
して主張し続けている問題である。13条は戦後間もない昭和23年、病院も少なく
入院病床が足りない状況で駐留軍(GHQ)によってつくられた努力規定である。
55年経過した現在、有診についても病院と同様の考え方で施設基準や看護師
配置基準、感染.褥創対策、医療安全対策が求められているが、13条のみが
残されている。有診は地域密着型の医療機関として、小回りの利く専門性の高い
治療を行う日本独自の医療単位であり医療文化である。そうした機能を診療報酬
上適切に評価するためにも、既に死文化している13条は撤廃すべきだ。
昨年11月に日本医師会の中に有診のプロジェクト委員会が発足し、ようやく前向き
の検討が始まった。厚労省からも省内に有診に関する検討会をつくってもいいという
話をいただいており、何か力を得たような気がしている。
時間の評価に問題あり
厚労省は初.再診料を時間の長さで区分すると言っているようだが、それはいささか
問題があるのではないか。時間が長いからと必ずしも良い医療を提供しているとは
考えられない。「3時間待ちの3分医療」問題の解決には、むしろ医療機関の機能分化
を行い、大病院を完全紹介外来制にすることこそが先決だと考える。また、プライマリ
ケア機能を評価するには、来年度からの新臨床研修制度を実りあるものにし、何が
あっても幅広く対応できる医師を養成することが不可欠である。(談)
医事新報(8月30日) 4140号より
2003.9.10