平成15年3月30日 日医代議員会速報
有診協ニュース号外
坪井日医会長、48時間規制撤廃に向け厚労省との交渉に入ることを約束
3月30日開催された日医の定例代議員会で、本協議会常任理事の犬尾
博治日医代議員(長崎県)が、日医に「医療法13条撤廃への取り組み」を求
めた。以下、内容掲載。
犬尾博治代議員(長崎県)
診療所9万余の中で、今稼動している有床診療所は、1万500前後とみられる
が、その入院に係る医療費は、昭和50年には総医療費の4.3%、そして平成
12年にはわずか1.4%と急落し崩壊の危機にある。その主たる理由は、一般
病床の入院料の安さが大きな原因である。
何故、有床診療所の入院料は不当に低いのか。その最大の理由は、有床診
療所の病床が、法的には正式の患者収容施設として認知されていないからと
思われる。
厚労省は昭和23年以来、占領軍の指導によって作られた実態に沿わない
医療法13条を永年放置し、診療所の病床は緊急避難的なものとして、48時間
収容の努力規定を捉えたまま動かさない。
その上、日医自身も「13条実害なし、これに触れれぱ新たに規制を加えられる
のではないか」、「寝た子を起こすな」という姿勢で今日までこの問題に本腰で対応
する気配がなかった。
有床診療所の当事者は、入院患者を医師自らの責任で管理し、法的な要求が
無くても必要な看護職を配置して来た・また、当局は有床診療所には病院と同じ、
又は類似の人的配置と構造設備および安全基準、その他管理の規制をかけ続
けているが、多くの有床診療所はこれに対応して来た。
当局でさえも、はじめから有床診療所の実態を認識し、健康保険法の上では、
長期に亘る入院料を診療報酬に設定している。また、有床診療所に対し、過去50
年に亘り社会的クレームはついておらず、それなりに受け入れられて来た実績を
持っている。以上の通り、今や社会的にみて、この48時間という収容期限の努カ
規定は、超非現実的、異様な存在となっているのである。
看護職による静脈注射も事実実績を認めて合法化したぱかりではないか。医療
提供体制の整備が見直されようとしている今、規制緩和が叫ぱれている今、医療法
13条の撤廃について、日医の見解を改め問う。
星日医常任理事(回答要旨)
有床診療所一般病床については、病院病床とのバランスの問題もあるし、どの
ように規制をかければ48時間の規制をはづせるのか議論が必要だろうし、その規制
が有床診療所の運営上容認できるものかということは慎重に検討しなくてはならない
と思う。先程、代議員から発言があった有床診療所に関する検討委員会を使って、
ここでの議論をお願いして、出来るだけ速やかに結論を出していきたいと思っている。
また、有
床診療所の現状を示すデータが不可欠である。こういうものの統計資料が
少ない。有床診療所の先生方に特にこのデータの収集に協力していただきたい。
犬尾博治代議員(長崎県)
15年位、全国有床診療所連絡協議会は48時間規制の撤廃を求めて運動を続けて
来たが、日医は終始「検討をする」と答え続けており、50年間この法律をそのままにして、
“48時間規制を廃止しよう”というスタンスを一度も示していない「廃止すべく努カをした
けれどもなかなかこの規制が外せないのです」ということでもない。「喧嘩をして負けた」
というなら我々も承知するが、始めから“喧嘩もしていない。はっきり申し上げるが、日医
は何もしていない。厚生省に言っていないのだから。
こういうことは大変失礼なことだ。我々が何を考えているかということを、もっと本気で
考えて欲しい。我々は何も難しいことを言っているわけではない。「48時間規制というもの
は余りにもひどいではないか」と言っているだけだ。それを「わからない。検討をするjと
いうのか。
海江田健代議員(鹿児島県)関連質問(要旨)
九州ブロックの代表質問と只今の個人質問、縷縷述べられたので重複は避けるが、
有床診療所の院長として重大な関心事なので、坪井会長に二つの質問と一つの要望を
申し上げる。
質問1.医療法13条の48時間規制撤廃の問題について、会長は厚労省と交渉される
気があるかどうか(これまで我々の陳情にナシのつぶてであったが)
2.有診に関する検討委員会をプロジェクトとして立ち上げられ、大変感謝しているが、
3月末までで終了ではなく有診の将来像を検討し続ける為に、新年度以降も続け
てくれるか
要望1.有診の入院費は、余りにも安すぎる。病院のそれの最低よりも50〜60%位である。
有診で医療が終って、グループホームヘ紹介すると、我々の平均25万円/月から、
グループホームの34万円/月へと負担が増えるのはおかしいので、是非、有診の
入院料を上げるように努力して欲しい。
以上の質問に対し、坪井日医会長は、日医としては最高の議決機関である代議員会に於
いて、公的な発言として「48時間規定の問題について厚労省と交渉を始める」と約束された。
そして交渉を始めるに際して、有床診療所側の意思決定を求め、プロジェクト委員会として
設置した有床診療所に関する検討委員会の決定というプロセスを踏みたいと言われた。
犬尾代議員・海江田代議員とも、同検討委員会に委員として参加しており、すでに同委員会
の有床診療所側委員の意見は、ほぼ一致していることであるし、全国有床診療所連絡協議会
も、毎年、同規定の撤廃を求める要望書を提出するなど、有床診サイドの意志は既に固まって
いると言える。坪井日医会長の確約によって48時間規制撤廃の問題は、ようやく解決に向っ
て動き出しそうである。
なお、代議員会のやり取りの全記録は、日医雑誌4月15日号に掲載される。
2003.4.17