有診0302
第2回有床診療所に関する検討委員会議事要旨(案)
1.日時 平成14年12月4日(水)4時〜16時
2.場所 501会議室
3.出席者
(委員) 大道、伊藤、犬尾、大岩、海江田、小林、田那村、内藤、長谷川、藤野
(役員) 星
(事務局) 伊藤、青木、小林、高橋
4.主要議題 諮間事頃に関するフリートーキング
5.提出資料
資料No. 資料名
提出者
有診
0201 第1回有床診療所に関する検討委員会議事要旨(案)
地域医療第1課
0202 論点整理 大道委員長
0203 日本医師会医療提供体制のあり方に関する基本的考
犬尾委員
え方
(平成14年11月7日自民党医療基本間題調査会医療
提供体制の改革ワーキンググループヒアリング資料)
0204 診療報酬点数資料(入院墓本料関係)
地域医療第1課
0205 厚生労働省医療提供体制の改革の墓本的方向
犬尾委員
「医療提供体制の改革に関する検討チーム」中間まとめ
(平成14年8月)
0206 医療法第13条条文
〃
0207 朝日新聞愛知版(平成14年11月28日朝刊)
〃
0208 有床診療所の将来構想の中で
田那村委員
0209 平成13年度病院委員会審議報告(抜粋)
〃
参考 平成13年度国民医療年鑑
平成15年医師日記
6.議事
(1)担当理事 星常任理事より、次のような挨拶がなされた。
挨拶 日医執行部としても、有床診療所の問題についてはやはりきちんとした方向
性を示すべきであり、具体的な内容については委員会の検討を踏まえて判断
したいと考えている。現状の問題を検討することももちろん大事ではあるが、
未来においてどのような夢を持ちえるか、より熱心にご議論いただきたいと
思う。
(6)審議
1.資料説明犬尾委員より、資料0203.0205.0206について以下
のような説明がなされた。
・資料0203.0205は、直接有床診療所に関する内容が書かれているわ
けではないが、抜本的にいろいろなものが変わろうとしている中に我々もいる
ということの、自戒の意味をこめて提出した。資料0206は医療法第13条
の条文であり、再確認の意味で提出した。
内藤委員より、資料0207他関連資料について、以下のような説明がなされた。
・名古屋市の精神病院が、内科的治療が必要な患者をサテライトの有床診療所に
転院させていたところ、48時間以上入院させているということで立入検査が行
われた。13条は「48時間を超えて入院させてはならない、ただし主治医が
必要と認めた場合にはこの限りではない」と解釈すべきものであり、また診療
報酬上も48時間で区切られているわけではない。有床診療所の会員はこの間題
に常に不安を抱いているので、ぜひこの機会に厚労省と交渉し、解決していただ
きたい。
田那村委員より、資料0208.0209について以下のような説明がなきれた。
・資料0209は今年2月に出された病院委員会の報告書であり、この中でも小規模
入院掩設について述べられているのでご一読いただきたい。
・資料0208は、有床診療所の問題について簡単に意見をまとめたものである。
13条問題については、短期的に見れぱ、何らかの規制と引き換えに撤廃させることも
一つの方策ではないかと思う。ただ、規制の内容によっては無床化の加速につながる
可能性がある点に注意が必要である。
2フリートーキング
まず、大道委員長より以下のような説明がなされた。
一16一
有床診療所の間題は法制化の議論にならざるを得ないので、相手は行政の
法令担当であることを念頭に置かなければならない。国会の審議にかける
ことを考えれぱ、考え方をきちんと整理し、引くべきところは引き、押す
べきところは押すという姿勢が必要だろう。
まず、資料0202の論点に示したように、現行の有床診療所の存続と
支援を前提とするのか新たな施設体系を構想するのか、この点から議論を
進めたいと思うがいかがか。
・来年3月までという限られた時間の中では、諭点を1つに絞って議諭した
方がよい。また、小規模入院施設構想と有床診療所との問題とは分けて考え
るべきではないか。私は、墓本的に小規模入院施設は病院委員会で検討して
もらえばよいと思っている。13条は現場にとって一番のネックであり、
この13条がある限り新たに有床診療所を開業する者はいなくなる。5千人
の会員がいる今何とかしなければならない。診療報酬や小規模入院施設の
間題は、もし来年もこのプロジェクトが継続するのであれば第2段階として
検討すべきである。
・小規模入院施設構想は、有床診療所の発案で始まったものである。そう
いう歴史的な経緯もあるので、この委員会の中で検討し、それが実現すれば
自ずから13条はなくなるというアプローチの方がベターではないか。
・私も13条に的を絞るのは賛成で、13条の撤廃あるいは療養病床のよう
に除外させる方法をまず模索する必要がある。日医に厚労省と折衝してもらい、
どういう方向ならぱ可能なのか具体的に示していただく必要がある。
13条問題解決後に、小規模入院施設や療養型、急性期型、グループホーム
等の検討に入れぱよいのではないか。
・有床診療所が重要な役割を果たしていることが一般に理解されていないので、
理解を深めるための方策についても検討する必要がある。
併せて、現行のままで将来も維持できるか不安もあるので、我々医療提供側の
視点だけではなく国民サイドあるいは地域医療という観点から、有床診療所が
どのような方向に変わっていくべきか、魅力ある方向性を示すことも重要では
ないか。
・13条に絞って攻めるか包括的に攻めるか。前者でいくとすれば平均在院日数
は「患者調査」でわかるので、それに提供している医療内容のデータを補強する
のは一つの手だと思う。ただそれだけで50年間変わらなかったものが変わるの
かどうか、思案のしどころだと思う。後者のように供給体制
一17一
を含めて交渉すれば、抜本的に変わるかもしれないが、時間がかかる
可能性がある。供給体制については、有床診療所もいくつかの類型に
わけることができるのではないかと思う。例えぱ、少し悪い方を診て
ダメなら病院を紹介するというような13条を条文通り解釈するような
類型、専門の日婦り手術等ハイレベルな内容を行う類型、グループ
ホーム併設等あまり要医療度が高くないような方を中心に診るような
類型、あるいは小規模入院施設や地域一般病棟というような概念の
類型等があり得るので、どの類型ならば48時間でもいいとか、あるい
はこのような規定を一律に適用するのは基本的に根拠がないという
論拠で提案するか、そのあたりを決めることが必要だと考える。
・13条撤廃の要望はわかるが、この50年変えられなかったことを考え
ると、従来の有床診療所論だけで打破できるか、甚だ心許ない。
・これまで実現できなかったのは、正面から取り組まなかったからでは
ないか。
・面と向かって言えば、実情を見せるよう迫られて更に事態が悪化する
可能性があったので、前回は、有床診療所の機能を新しい枠組みの中
で維持し13条を撤廃させるという戦賂を取った経緯がある。
・13条間題は、他の間題とは次元が違う異様な間題であることをよく
認識していただきたい。小規模入院麹設の検討は大事だが、我々には
もうそのような順序を辿っている時間はない。この13条間題は素人にも
わかりやすく、また国会議員にも説明をすれば理解が得られない話では
ないと思う。それを無理だと言い続けてきた理由を、もう一度聞かせて
ほしい。本当に無理ならぱ、再度小規模入院施設構想に戻ることもあ
り得るだろう。
・我々は、無条件で撤廃してほしいとは言っていないのであって、その
条件については日医の責任ある考えで交渉してもらいたい。例えば、
療養病床は看護配置6=1程産で13条を外しているのだから、一般
の場合は看護I、U程度で認めることはできないか。ハード面ではほぼ
差はないし、人的な面にっいても療養病床はその程度で13条を外して
おり、また安全管理や褥瘡対策も病院と同様に行うのであれば、何等
おかしいことはない。これを全国会議員に説明して、それでも理解が得
られないだろうか。
平成4,5年時には、現在の有床診療所制度に問題があるという議論が
あったのか。改善しなければならない部分があるならぱわかるが、うまく
機能しているのに、13条を外すためだけにこちらから厳しく規制を設定
する必要はない。日医はまず、厚労省が本当にまだ13条が生きている
と考えて
-18-
いるのかを確認し、もしそうであればその時点で、条件を出せば撤廃
できるのか探るべきである。
・かつての委員会では、現行の有床診療所制度の良し悪しについて
議論することはなかったが、やはり間題なしとはしないという考えは
あったと思う。なぜならば、現実にどのような患者がどのくらい入院
しているかも把握できていないのだから。
・それで何か間題があるのだろうか。有床診療所の実態がわからない
のであれば、まず実態調査をすべきである。問題の有無もわからない
まま規制を考えるのは、順序が逆である。
・それを言うならぱ、昭和23年になぜこの規定ができたかという話に
なる。19床までは医師1人で構わないということと48時間とは組合せ
で始まったものであったのに、医療資源の不足の中で、実態上長期
入院するようになってきたのである。今の状況は確かに異常かもしれ
ないが、歴史的にみればある意味こちらが掟破りをしてきたわけで、
それを既成事実として13条こは問題があると主張するのは、論理的
に無理がある。そういう人を受け入れるならば、その他の必要な環境
も順次整傭しなければならないと思う。
・それは違う。国が有床診療所を利用してきたのである。療養病床も
本来有床診療所に当てはめるべきものではないのに、ただ足りないから
という理由で、13条を外したのである。
・確かに国にとって必要な二一ズがあったから利用したと言えるだろう。
それならば、48時間以上入院させている有床診療所が国にとって必要
かどうかということになるのかもしれないが、実際に行っている側が必要
だと主張し、良いことをやっているのだから13条を外せというのは、諭理
構築が成り立たないということを申し上げているのである。
・今回このように新聞報道されてしまったが、一方で行政も我々医療従事者
も見て見ぬ振りをしてきた実態もある。13条を外す以上は、それに足るだけ
のことを行っていると、しっかり示す必要があるのではないか。ただ13条を
外せと訴えるのは、会員にとっても生産的ではないと思う。例えぱ、「病院報告」
並みの報告体制は取れるか。
・それは可能だろう。立入検査も行われている。
・ならば、そういう条件をつければよいと思う。少なくとも病院が報告している
範囲で、示せるならば示した方がよい。
・問題は、それによって13条を撤廃できるか否かである。我々はまず13条の
一19一
撤廃を求めるべきであって、無理ならばどのような条件が必要か厚労省が
提示するだろう。敢えてこちらから示す必要はない。
・そういう間題ではないと考える。
・こちらから条件を示してもその範囲でとどまることはなく、倍以上の条件が
ついてくるのが常である。
・こちらから条件を示す必要はないとしても、どこまで認めることができるのか
検討しておかなければ、先に進まない。療養病床は国が自分たちの都合で
利用したとの発言があったが、事実上療養病床のように使われていた有床
診療所があり、それが政策にも合うということで認められたのである。OOの
類型についてはOOの理由で外してほしいという議論ならばできるが、ただ
単に13条は実態と合わないから外してほしいとは言えない。厚労省にまとも
に13条問題をぶつけても、「1床から病院」という条件を出すに決まっている。
従って、有床診療所がどのような機能を果たしていて、そのある部分について
は13条を外すことが必要で、それを担保するためにOOを行うというのは、こ
ちらから言わなければならないのである。
・ただ、小規模の旛設にもそれなりの理念があるのだから、全て病院とするの
はおかしい。生身の人間を診る以上は、組織医療を行う病院だけでなく、個人
が診る医療もあってよく、それが収容機能を持っても構わないあるいは持つ
べきであるというのが小規模入院施設論の理念である。つまり、そういう理念
があるのだから病院と同じような規制はすべきではないと、新しい施設体系を
主張したわけである。
・日医には、「会員から13条撤廃要望が出ているが、これを実現するにはどの
ような規制が新たに加わる可能性があるか。ただ病院のように厳しくしないで
ほしい」というような度量での交渉をお願いしたいのである。
.そうなると、19床のままで13条撤廃に眼目をおくべきとする入口の議諭では
なくなる。また、従来制度のままで条件を付けると、例えば1ステイならばよいが
それ以外は本来の収容機能を持つ病院で行われるべきであるという諭理が入
ってくる可能性があり、辛い立場になる会員が大勢出る懸念がある。そこで
前回は、従来の有床診療所はそのままに、新しい理念をもった受け皿を作って
選択する道を提案したわけである。診療所の療養病床が認められ13条が外れ
たのは、療養は1ステイで済むはずがなく、しかし医師一人で看護介護体制も
地域住民が安心できる状況であれば社会も認めるのではないかということで、
現在に至るわけである。今回このあたりについて考えると、やはり手術の間題
などは避けて通れないだろう。手
-20-
術や病院に伍する内容を提供している方に、48時間を適用するかしないかと
いう間題にもなるので、条件闘争は戦術論としてうまくないのではないかという
思いがある。
・少子高齢社会では、自宅近くのかかりつけ医の診療所で療養するのがよい
ということで、医療法が変わったのである。今は50年前とは違い、深刻な少子
高齢時代であるということも、一つの理由になる。
・そういう意味で言えば、例えば小児のプライマリレベルでの対応は1,2日入院
させて様子をみた方がいいと主張すれば、社会も賛同する可能性は高い。
・診療報酬上も48時間以上の規定があり、全く整合性が取れていない。
・それはあまり理由にはならないし、医療法は基本的に刑法なので、実態がそう
だからと言って許されるものではなく、何かあれば取り締まられる。
・やはり国会審議に耐えうるだけのロジックを、我々が行政に持たせなければ
ならない。行政がやりたければ自分達で考えるだろうがそうではないので、こち
らで青写真を示して行政とすり合わせることが必要ではないか。理論固めを
こちらでサポートしない限り、動いてもらえないだろう。
・重ねて申し上げるが、委員会の報告書は大切な意見集約ではあるが即日医
の政策になるわけではない。また日医としても、医療法改正の度ごとに、厚労省
に対して小規模入院施設構想を含めて13条問題について意見を述べ、変更を
求めてきたのである。小規模入院施設が認められなかったのは、「その中で提供
している医療がどういう内容か、どういう二一ズにどれだけ応えているのか」を
示せなかったことに一因があるかもしれない。そのあたりをご理解いただいた
上で、現実的に今何を目指すべきかご検討いただきたい。もしこの先の議諭の
中で、診療科によって明暗が分かれるような内容が出てくるとすれば、それは
この委員会できちんと集約していただく必要があり、皆の理解が得られるもの
でなければ、日医の政策として採用することはできないだろう。
・そういう意味では、委員の先生方も専門外の診療所の実態がわからないと思う
ので、レポート等の形で、もう少しお互いの理解を深める必要がある。極端な話を
すれば、有床診療所は1つでいいのかということである。
・理論武装のために、日医が有床診療所に対して調査を行うことは可能か。
・それは可能である。
・ただ、一般的な状況把握調査では意味がなく、ある程度しっかりとした方向性
を決める必要がある。13条問題について言えば、平均在院日数だけで
-21-
いいなら「患者調査」でわかるが、そういうことではないと思う。各科で
相当事情が異なるとはいえ、制度上いくつにも分けるわけにはいか
ないだろう。再三申し上げるが、現行の有床診療所制度内で機能分け
をして外していくアプローチをとるのか、小規模入院施設かどうかは別
として新しい受け皿を作るという方法でいくのか。また、条件をつける
のは、かなり危険であることに注意が必要である。
・有床診療所にもさまざまなタイプがあるので手上げ方式とし、先ほど
も申し上げたように、13条を撤廃するとしたらどの程度の規制がかか
るかを調べて、我々に示していただきたい。それによって、受け入れるか
手を引くかを判断することになるだろう。
・それは示してもらうのではなく、ここで我々が示すべきものである。
ポィントは、やはり医師の人数である。居宅から離して人命を預かる以上
組織で診るのが一般的とされるような中で、医師1人のままでいくのか
どうか。現行では療養病床なら50床までは2人の常勤医師で認められる
わけだが、病院ですら今の規制と診療報酬体系では成り立たず年間100
くらいずっ減っている状況で、医師1人で19床を引き受けて13条の撤廃
を主張する場合、一体どこでバランスを取るのか説明できないのではないか。
・ただ、今は大病院でも医療事故はたくさん起きている。いい加減なことを
言うと思われるかもしれないが、有床診療所で大きなトラブノレが起きてい
ないのは、我々が我々なりの守備範囲を理解して、24時間一生懸命診て
きたからだと思っている。
・善良な医師が適切な裁量を発揮するならばそれでよいし、もちろんそう
あるべきだが、自由開業制の日本では、連絡協議会にも入らず、経験も
そこそこの者がベッドを持って手術をし得る。法制はそこまで想定して、
人員配置や立入検査、報告等で適正を担保しようとするものなのである。
我々が善良なる医師としての心で対処するのは大事なことだが、それを
社会的に本当に保証できるかと言えば、今の時代はそれだけでは通用
しないかもしれない。
・仰ることはよくわかるが、現行の有床診療所が悪いという議諭は何もない。
1床でも病院であるという、病院としての小規模入院施設を考えていけば、
有床診療所の概念はなくなる。
・小規模入院施設は病院の理念ではなく、有床診療所の次の世代の理念
である。
・実際に戦略的にどちらが入りやすいかといえば、私は現行の有床診療所の
一22一
理念で攻める方がやりやすいと思う。
・それはそれで構わないが、現行制度の中で分類をして、条件闘争しても
本当に大丈夫なのか。
・基本的に、どこで手術をするかは患者が選ぶことであり、国が規制をはめ
る必要はない。実態調査はもちろん必要だと思うが、この委員会が何をなす
べきかと言えば、どうすれぱ有床診療所は残るか、単純にそこを議論するの
が一番早いと思う。
・有床診療所がこのまま座して絶えるようなことがあってはならないという点
では同じだが、やはり戦術と実現可能性を考えなければならない。例えぱ、
先生は1人でやっておられるのか。
・基本的に1人だが、手術時は3,4人来てもらう。
・そこが制度上は見えてこないので、13条でバランスをとっているようなところ
がある。通常は1人でも手術時には応援の医師が来るというのは童要なことで
ある。例えば看護師だけでできなくはない範囲というものもある。そこでなぜ病院
ではなく診療所なのかと間われれば、我々は患者に選ぱれたと答えるかもしれ
ないが、患者はそういう状況を知らなかったかもしれない。行政側には、国民
は等しく適正な医療を受ける必要があり、また受ける権利があるという判断がある。
例えば惰報が不十分なまま、地理面だけである人は診療所を選択し、ある人は
病院を選択して一定の医療を受けたとして、両者の間に安全性や技術的水準に
差があった場合のことを考えると、今ははっきりしないので議論にはならないが、
今後間題にされたらどうするか。
・それは難しい間題だが、その手術に満足したかどうか、うまくいったかどうかを
決めるのは患者である。病院も診療所も、生き残るかどうかは患者の満足度で
決まるものであって、医師が決められるものではない。
・交渉のアイデアを、実際に頑張っている先生方に出していただきたい。これは
外には求められないのである。例えば、療養病床は入院する患者像がある程度
決まっているから外したのだから、我々の主張とすれば、こういう患者さんを預か
ってこういう診療をするというような、ある程度の基準を我々自身がはめて交渉し
なければ、話は進まないだろう。これは日医の根本的スタンスの間題ではないか。
我々がいくら主張しても、委員会の答申が全てではないというのだから。日医には、
有床診療所を絶対残すという確固たる意志があるのか。
・前回会長もお話したように、有床診療所には将来がないと思えば、この委
一23一
員会を立ち上げていない。日医としては、自由裁量のもとに開設できる
診療所の良さというものは、一番に守るべきものであると考えている。
ただ病床を持って管理していく場合に、将来においても自由開業権と
病床を担保するためには、受け入れざるを得ないものあるいはこちらが
提案すべきものを、ここで検討していただきたいのである。
・調査はある程度の範囲ならば実施しても構わないと思う。13条の撤廃
に役立つのなら、皆協力するだろう。
・ただ、在院日数や診断名等だけでは、あまり説得力を持たないような気
がする。法案に耐えうるだけのデ−タが必要なのである。調査の効果を
考えると、他に何か方法があるのではないか。例えば、先ほどから申し
上げているように、本当に医師1人という枠は外すことはできないか。
プライマリ・ケアは1人で大丈夫だと仰るかもしれないが、この場合は収容
機能なのである。
・前回同様、連携医を持つ形でも構わない。決して無条件でということで
はなく、連携医や立入検査、安全管理体制等をクリアーできた有床診療所
については13条を外すというような条件で対応できないかということである。
・19床のままでそれをやると、かなり病院に近づくことになり、1人十連携医
ではやはり不十分で打破できない気がする。
・実際、小規模入院施設はそこがネックであった。
・当時は2人体制は無理であったし、日本の開業制というのは基本的に1人
だという思いもある。行政側は手術時の応援医師を常勤換算するようなことも
言いかねず、それでは困るので連携という形にしたのだが、説得力が足りな
かったかもしれない。いっでも連携がとれる医師を1人置くという条件は、
例えば今でも在総診も連携医を届けるようになっているので、構わない。
24時間体制ならぱいくらでも構築できると思う。しかし、対応できない有床
診療所の先生方を排除するようなことにならないか。
・産婦人科で言えば、年間120万の出生数のうち、50万を有床診療所が
扱っている。当然現在も24時間体制でやっている。
・そういった条件について、厚労省と話し合いができれぱ、大変いいと思う。
・それには、我々が相手を説得するだけの、さらに言えば相手が乗ってくる
だけの条件を示さなければダメだろう。正直申し上げて、医師1人のまま
−24−
では無理だと思われる。連携という形でも曖昧なので、ぎりぎり譲歩して2人
体制というのは無理か。
・2人常勤体制は、たとえ診療報酬が伴っても無理である。人材もいないし、
今の診療所でそれだけの給料を支払うことはできない。2人でやっている
診療所はいくらでもあるが、全てに適用するのは無理である。
・今は病診連携が非常に盛んだが、それではダメなのか。24時間体制で、
いつでもカバーしてくれるという体制を取るのが一番よいと思うが。
・それも一つの方法だと思うが、小規模入院施設でさえ取り合わなかった
ことを考えると、難しいと言わざるを得ない。厚労省も「1人ではなく2人体制で
、この範囲の内容をやる」と言えば、けんもほろろに突き返すことはしないの
ではないかと思う。では、譲って2人としても非常勤とすることはできないか。
・それはあり得るだろう。連携よりは非常勤の方がよい。
・ただ、医師の算定ルールは既に出来上がっているので、2人となればその
時点できっちり常勤換算を求められる。眼科でも、常勤3人体制をとっている
診療所もある。
・そのように、各科によって大きく事情が異なるので、人員配置で縛るような
ことは避けたいのである。本来は、先ほどご意見があったように患者が満足し、
きちんと治っているというアウトカムを見るべきなのだが、そういう形での情報
が出てこないので、どうしても行政は数で担保しようとする。
・医療施設である老人保健施設は、入所者100人に1人医師がいればよい。
老人保健施設と有床診療所とは違うので比較できないという指摘もあるだろうが、
実態として老人ばかりを100人収容している施設と有床診療所を比べる発想
はないのか。そういう発想で行われたものが、療養病床の認定であり、48時間
の解除である。老人保健施設に入所するためには介護認定を受けるという1プロ
セスがあり、入所している人の状態が容易にわかる。医師の判断で自由に入院
させられる施設ではない点が大きく違う。
・内容ではなく、単純に、老人保健施設の方が医師の不在時に亡くなる確率が
高いことを言っているのである。
・ただ、老人保健施設は老人保健施設の理念がある。確かに通過的施設として
位置付けられていながらも実態は長期入所傾向にあり、それらの状況も踏まえ
る必要はあるだろうが、我々が目指すべき方向の実現には、必ずし
-25-
も有効に機能しないのではないかと思う。医師の人数以外に、何か13条
を外すための方策はないか。あとは看護職員の数だろう。具体的には、5:1
程度でどうか。これならば19床なら4人、外来の1,2人程度を考慮しても、
対応できるのではないか。
・確かに看護師は的確に対応するかもしれないが、医行為の責任は医師が
引き受けるというような論理からすると、やはりポイントは医師だと思われる。
非常勤1人ということを明確に打ち出すとすれば、それは大変な踏み込みだ
と思う。ただ、療養病床の適用除外の経緯を踏まえると、今我々は患者の
病態にかかわらず13条の撤廃を求めるのに、1人十非常勤のみで他の条件
は全くつけずにいくことでよいのかどうか、確認したい。敢えて言えば、かなり
高度な外科手術も行えるということでよいのか。
・そういうことである。入院させる患者像を限定するようなことは難しい。
・1人十非常勤だけを追加し、他はこれまで通りとして、果たして乗ってもらえる
だろうか。
・正直申し上げて、今のお話では、日医のどうしても譲れない政策として、厚労省
と交渉するには弾不足と言わざるを得ない。日医が死ぬ気でやれと仰るかもしれ
ないが、今は株式会社の参入間題でさえ死ぬ気で抑えようとしても厳しい状況で
あることをご理解いただきたい。厚労省と国民が納得するだけのロジックが必要
である。
・繰り返しになって申し訳ないが、再度お聞きしたい。委員会でこれだけ議論をし、
1人十非常勤で13条を撤廃できないかと言っても、弾不足でできないと言われて
しまえば、そこで終わってしまう。こういうものが欲しいと言われれば何でもやるが、
弾不足とだけ言われても我々としてもどうしようもない。
・1人十非常勤でも大変な踏み込みだと思うが、ただ、仮にそれが認められても、
診療報酬はたいして上がらないのではないか。しかし、それも第一歩である。
・先生方が努力をされ、立派にやっておられることを否定する気は全くないのである。
ただ、安全防護策として法律が定めているものを外しても大丈夫だというのであれば、
その証拠を示す責任はこちら側にある。それを保証できるだけのものを与えてもらわ
なければ、交渉もできないし先に進まない。それは、この委員会の責任なのか、日本
医師会も責任の一旦はあるのでは
一26一
ないか。
・もちろん、その通りである。そこでまず、実際に携わっている先生方のご意見を
伺うべく委員会を設けたわけである。先生方のご意見を受け止めてどう対応する
かはまさに日医の執行部の責任であるが、ただ13条問題を前面に出すならば
それを外しても大丈夫だというプライマリーなロジックはこの場で作っていただき
たいということなのである。
・立証責任がこちらにあるというのは、厚労省側の見方ではないか。日医は末端
の会員の立場に立って攻めるべきである。50年間も何のトラブノレもなくやってきて、
なぜ未だに13条が生きているのか、単純にそこから攻めるべきであって、厚労省
の立場でものを考えていては何も進まない。
・そういうことを申し上げているのではない。
・委員会の答申イコール政策でないことは承知しているが、ぜひご理解の上吸い
上げていただきたい。
・状況はよく理解しているし、前回よりも事態は深刻だと思うからこそ、耳障りのよい
ことを言っても解決しないのではないかという思いが強い。常任理事もかなり客観的
なことを踏まえて仰っているので、そこはそう受け止めて対応された方が利があるの
ではないかと思う。13条が目の上のこぶであることはよくわかるが、実際に活動する
上での一番の間題は経営間題である。今日の議論のように、1人十非常勤でそれ以外
は従来通りということでいくと、仮に13条はクリアーしても、診療報酬が上がる見込み
は大変低いと思われる。小規模の病院ですら年間100に及ぶ閉鎖が続いている状況で、
スケールメリットを獲得できない有床診療所が残りうるのか危倶している。だから、今、
次の段階へ進む段取りをつけておいた方がよいのではないかと思うのである。今日は
13条の議論のみで終わってしまったが、やはり後を継ぐ若い世代に発展させてもらう
ような制度を作ることを考えてはどうか。年間8000人の医師が養成されても、病院では
半分も受け止められない。そこで地域に出るという時に、無床でいくのか有床を選択する
のか。マクロで見れば、入院患者の絶対数もこれからは減つていく。組織医療機能を
特っている病院が減っている中で、有床診療所を維持できるかは、時代に合った説得力
のある受け皿であり、患者がそれを理解して診療所に行く気になるかということにかかっ
ているのではないか。
・調査はどうするか。例えば、調査をしても、医師の数にしても平均2人いるから大丈夫
ではないかというようなことにもなりかねないので、平均値というのは注意が必要である。
調査を行う方向でいいのかどうか。
一27一
・調査はあまり賛成できない。参考までに調べたいというならば調べても構わないが、
有効な材料にはならないと思う。その程度のものであれば、厚労省の調査でわかる
はずである。また、診療所は中身が見えないと言われるが、病院の調査項目を考え
ても別に特別に中身がわかるような仕組みにはなっていないので、その点にはあまり
こだわってほしくない。
・今は有床診療所のベソドが何床稼動しているかもわからないという状況なので、調査
を行うとしてもその範囲での話である。
最後に大道委員長より、以下のような説明がなされた。今日の議論を踏まえて、常任理事
ともご相談した上で今後の進め方について事前にご案内したいと思う。先生方も、「有床
診療所はこれだけ役に立っている」と示せる資料などがあれば、ぜひお持ちいただきたい
と思う。
星常任理事より、以下のような挨拶がなされた。最初に申し上げたように、将来において
魅力あるものを考えたいというのが私の思いであり、会長も同様だと思う。日医が有床
診療所の議論をする場合、そこにしか活路がないのではないかと思う。医療界全体から
見ても、「このような医療を担う有床診療所は必要だ」と思えるものを、この場で作り上げ
たいと思っているのでよろしくお願いしたい。
7その他
次回委員会開催日程
第3回1月22日(水) 14時〜16時
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