資料3−5
第4回有床診療所に関する検討委員会
(平成15年3月12日開催)
平成14年度第4回委員会の議事の進め方
委員長大道久
1. 48時間規制の救廃に向けた論点(厚生労働省担当官との協議をするに当って)
(1)医師1人の業務量に規制がないこと(19人までの入院患者、及ぴ外来患者数)
(2)受け入れ患者について規制がないこと(重症度、医学的管理の程度、手術・
処置の必要性)
(3)医療が不足している状況での医師の裁量と充足または過剰的状況での制度運用
(4)施設機能の分担と連携、及ぴ機能の集積による医療の質の確保の観点から
(5)診療情報(施設基準、医療機能・業務、医療の質的水準)の提供と患者の選択
2. 診療報酬上の評価を求める上での考え方の方向
(1)診療報酬における施設基準化を進める方向で対応する
(2)医師配置数による入院時医学的管理などの評価を求める
(3)看護料についての現実的対応を求める(7対1など)
(4)診療所機能(在宅支援機能、終末期または看取り機能、グループ・ホーム等)を
評価する方向を求める
(5)その他の診療報酬上で対応すべき点
3. 新たな施設体系の検討について(次年度で対応)
(1)小規模入院施設について
(2)その他の施設体系にっいて
以上
ー 1ー
各委員の発言内容(要旨)
(大道委員長)
今回が第4回目で、年度内で最後の委員会となった。前回の時は、中間報告を
まとめると申していたが繰延べになった。というのは、日医側からの申し出により、
今回は厚生労働省医政局総務課長の栄畑課長とその下の係長とに同席してもら
うことになったからである。委員会にとってこうしたやり方が適切であるかどうかわ
からないが、こういう機会はなかなかないので、厚労省の意見を聞いてみるのもい
いのではないか。
(星常任理事)
今後の方針を取りまとめるに当り、本日は栄畑課長が係長同伴で
午後3時頃から出席いただくので、その意見も聞いてみたい。又、私は有床診療所
の実情を見る目的で、犬尾先生の御案内で長崎県の10ヶ所程見て来た。その先生
方の御意見も聞き、またベヅトをやめてしまった先生の話も聞き、私自身少し理解
できたかと思っている。感じたことは、皆様大変熱心にやって来られたんだと思う。
だからこの問題は大切にやって行きたい。
(大道委員長)
有床診療所の委員会は今後継続して行うことになる。今まで3回の委員会で48時間
の問題がこれほど明確に出て来たのであるから、これだけは取りまとめて制度上の
やりとりを日医がするということは明確にレなくてはならない。やがて厚生労働省の課長
が来るが、その時の議事の進め方をここに書いてある。ご不満の点もあるかも知れない
が、彼等はこういうことも突いて来ると思うので、あらかじめ検討しておいていただきたい。
(レジメ議事の進め方について説明した)
※厚生労働省の栄畑課長来室
大道委員長より今まで3回この委員会で議論して来た
48時間問題について手短に説明を行なった。
(厚労省栄畑課長)
医療法13條の制定以来の経緯について説明を行ない、医療法解説書
より引用、医療法13條の考え方について説明を行った。(資料1)
一2一
(内藤委員)
病室の面積についていうなら、病院でも元は4.3uであったので、最近作られる
ものは6.4u以上ないといけないとなったのだ。今でも4.3uの所は沢山ある。
有床診療所でも今までは4.3uになっているが、最近建てられる所は6.4u以上
自主的にしている所は、いくらでもある。つまり建物の規準は新しいものと古いもの
の差はあるにしても、有床診療所も病院も同じ程度のものである。
(大岩委員)
有床診療所は医療計画の対象外と書いてあるが、これは医療計画ができた時、
我々有床診療所協議会の中で、これに入るべきか、入らざるべきかで大変議論が
行われた。もし入らなけれぱ今後有床診療所のベヅトを必要病床として認知され
なくなる恐れがある。もし入れぱ認知はされるが、そのかわり今後開業しようとする
人が病床をもって開業できなくなる。結局日本の自由開業制度を守る方が重要だ
という考えが大勢を占め、我々が自主的に入らないことに決めたのだ。与えられて
できたことではない。
(栄畑課長)
その通りだ。現在、医療計画による病院の規制そのものが既に歪みが出始めて
おり、新陳代謝ができないことが問題になっている。
(海江田委員)
ここに示された資斜1の医療法13條の考え方の所で、「十分な科学的医療が行わ
れるためには、設備その他が相当整備されていることを必要とするが、診療所はその
点が不十分であり」と書いてあるが、具体的にはどの様なことを指すのか、またこれを
どれくらいそろえたら13條の撤廃ができると言うのか、今では病院以上に優秀なCT,
MRI等を揃えている有床診療所はいくらでもある、そして長年にわたって我々を苦し
めてきた48時間の医療法13條が撤廃されないのは何故か。どうすれぱ48時間問題
をはづせるのか、その条件を教えてほしい。
(大岩委員)
人員配置について言うなら、保険法上看護職10人以上で看護の1,5人以上で看護
の2と決められた。その時何故か医療法上の取り決めがなされていなかったのである。
今も10人以上又は5人以上ということを我々は守って医療をやってきているのが大方
であるから、そういうことを医療法上にきちんと自主的に決めて、48時間規制のワクを
はづしてもらうことはできないのか。
一3一
(伊藤委員)
療養型を除く、一般の有床診療所は急性期の患著を扱っている。都会地では
病院指向だが、地方では有床診療所が地域医療をカバーしている。また、診療科
の単位で、病院と比較した場合、診療所のスタッフ数がより充実しているケースも
ある。これを療養型以上に評価してもよいのでないか。また、参院決算委員会で
坂口厚労相は医療分野での規制緩和を検討するといっている。地域の急性期
医療を担う有床診療所への規制は実情に合わないので、そのような中で48時間
規制の撤廃を検討してもらってはどうか。
(内藤委員)
今まで毎年全国有床診療所連絡協議会総会のたびに13條の撤廃を書いつづけ、
要望書に書いて日医に提出して来たのに、厚生労働省には日医から13條の撤廃
について何らかのアプローチが今までにあったか。
(栄畑課長)
今までそういう話はなかったように思う。
(藤野委員)
13條の経緯についてはわかったが、今では守られていない法律でしかもそれが
保険法などあちこちの法とバヅチングして違和感があり、医療安全対策やら褥瘡対策
など一生懸命しているのにもかかわらず48時間規制があるというのは、全くちぐはぐで
ある。今48時間規制を撤廃してもどこにも、迷惑のかからない法律なんか取り払って
規制緩和を考えてもよいのではないか
(栄畑課長)
医療上の規制緩和はどうあるべきか、現在強くせまられている総合規制改革会議から
の要求、つまり株式会社の医療への参入など、我々としてはばなはだ不本意である。
医療側の意見などもよく聞いてもう1度考え直してみたい。大きい規制緩和の問題に
ついては6月までに決める。
(栄畑課長)
13條を撤廃するということは、病院になると言うことか。
一4一
(大岩委員)
そんな誤解をしてもらっては困る。13條の48時間規制だけを取り払って
くれと言っているのである。それができないなら、看護師の数などの規制は
受けてもよいから、その様な規制を守り、医療安全対策・院内感染防止対策
・褥瘡対策などをきちんとする病床については48時間の規制は受けないと
いう、医療法運用規定の改正を課長通達でやってもらえないかと言っている
のである。病院と有床診療所の差は19床を境にするという規模の大きさだけ
で充分ではないか。
(犬尾委員)
有床診療所は本来1人の医師がすべての責任をもって入院患者を治療する
ものであって、外科などで1人でできない時は他の医師に来てもらって手術を
したり、それでも対応不能な患者はその病気が最もよく治療できる病院に送っ
ているのである。看護職にしても、医療法でどこからも強制は受けていないの
にもかかわらず医師の裁量で必要な数を揃えてやっているのではないか。
それで50年間社会的なトラブルにもならずやって来れたではないか。48時間
の努カ規定は廃止すべきである。1人の医師がその習得したものを最大限に
発揮できる仕組みを有床診療所として残さなけれぱならない。医療法上での
医師数は、あくまで1人で他に非常勤や複数の医師が居る時は保険法で加算
し点数に差をつけられるのは止むを得ないだろう。
(栄畑課長)
50年間それほどよく運用ができてきたということは大変重く受け止めるべきだ
と思う。とにかく、医師やそれに伴う診療施設は我国の貴重な医療資源である。
大切にやって行かなくてはならない。
(小林委員)
産婦人科有床診療所が国民に果たしてきた役割について、全国の分娩数の
45%を有床診療所が行っていることを示し、又、12%の帝王切開術を行って
いるのである。有床診療所は今後も国民が求める医療施設
である。(資料3)
(大道委員長)
次に医療法上のことではないが、保険のことについても述べてもらいたい。
課長は担当ではないが、必ず担当課長に伝えてくれるだろう。
一5一
(内藤委員)
ここに病院での低いランクの入院基本料1日の、点数と有床診療所入院基本料
の1日の点数を書いてある。ご覧のように病院での低いランクと有床診の一番高い
ところとを比べても、1日につき511点の開きがある。昔はこんなに開いてなかった
のに、次第にこんなになってしまった。これでは経営が困難であることはおわかりだ
と思う。(資料2)
(藤野委員)
ここに大腿部骨折の手術をした時1ヶ月の入院点数、腰部脊柱管狭窄症で手術を
行った時の1ヶ月間の入院費が書いてある。それと介護入所の、点数又は療養病床
入院の点数を比較してほしい。これほどの手術をしても、いかに有床診療所一般病床
の入院点数が安いかわかると思う。(資料6)
(犬尾委員)
ここに示すのはグループホームの3単位をとっている施設の年間収支の一覧表である。
ここで頂いている1人当り平均の月収は337,531円である。1人の医師もいない施設
でこれだけの収入(食費込み)である。それと比べて我々の入院料が安いのがわかると
思う。お役所は介護と医療は保険が違うといって逃げられるだろが、保険医療課によく
言っておいて下さい、有床診療所を退院してグループホームに行くと更に高い費用のか
かっていることを。(資料5)48時間規定は異様である。
(内藤委員)
平成10年度の医療費の割合が書いてある。高い上位1%で24%、5%までだと55%の
医療費が使われていて、我々下位の80%は僅かに25%を消費しているに過ぎなく、有床
診療所での医療費は今では僅か1.4%になってしまっているのである。(資料4)
(栄畑課長)
必ず担当課長に伝えることにする。
(星常任理事)
この次、いつか機会を見て保険担当の課長に来てもらって懇談をしてもよい。
一6一
(大岩委員)
将来機能分化が病院では進むだろうと思うが、我々有床診療所では急性期
医療を行っているにもかかわらず我々がカヤの外に置かれてしまいそうで心配
である。
(栄畑課長)
確かに機能分化はあるだろう。
(内藤委員)
先程お示しになった医療法13條には有床診療所という言葉はどこにも書かれ
ていない。だのに厚生労働省からの文書では有床診療所という言葉がどんどん
出て来る、私達は診療所と病院という2つのカテゴリーのほかに、その中間となる
施設はあった方がよいと考えているのであって、それには、あなた方も使っている
有床診療所という言葉でよいではないか。私達はそのカテゴリーを守って行きたい
のである。
(栄畑課長)
なるほどですね。
(田那村委員)
既に10年前になりますが、平成4年・5年に日本医師会小規模入院施設検討委員会
において、このジャンル論について報告書が出されている、これらについてご認識があ
ったのか、ご検討されたのかお聞きしたい。
(栄畑課長)
有床診療所に療養型病床があっても良いのではということで、制度化された。有床診療
所という単位とジャンル論は検討されていない。
(大道委員長)
平成4年・5年の日本医師会の小規模入院施設検討委員会の報告書を差し上げますので、
ただいま討論された48時間の撤廃、診療報酬上の問題と共にこれも検討の対象として下さい。
(大道委員長)
色々のことが話せたし聞けたし、それなりの収穫はあったように思う。次の委員会につなげる
約束はできたし、時間が来たのでこれで終わりとする。
一7一