社会保険.老人保健診療報酬改定重要事項
      平成16年度
        最終案

     平成15年10月8日
       日本医師会
      社会保険診療報酬検討委員会

診療報酬改定要望事項
  (3)入院基本料の改定(特に有床診療所及び精神科)

 平成16年4月に予定されている診療報酬改定に対して、各方面から
日本医師会に多くの要望事項が提出されているが、当委員会はこれらを
勘案しながら、緊急に改定すべき事項について検討を重ねた結果、別添
の事項を診療報酬改定案として提出する。
 今回の要望事項は以下に述べるような基本的な考え方に基づいて決定
したものである。急速に進展する少子高齢社会における老人医療費の増大
と長期化する経済不況は医療保険財政に極めて大きな影響を与えている。
 去る6月26日、政府の経済財政諮問会議は「経済財政運営と構造改革に
関する基本方針2003」を取りまとめ、これを受けて政府はその内容を6月
27日に閣議決定レた。この中の「規制改革、構造改革特区」「社会保障
制度改革」において、株式会社等による医療機関の経営の解禁や、いわゆる
混合診療の拡大等々が書き込まれている。その上、7月15日、総合規制
改革会議は『「規制改革推進のためのアクションプラン、12の重点検討事項」
に関する答申』を小泉首相に提出したが、この中でも混合診療を包括的に
認める制度の導入などを執拗に求めている。
 このように政府は社会保障の理念に基づいた医療保険制度を破壊する
方向に舵を切りつつある。
 平成14年4月に実施された診療報酬改定において2.7%のマイナス改定
が行われ、技術料本体に対しても1.3%の切り込みがなされた。殊に外科手術
における逓減制は地域における不平等が発生する可能性を含み国民皆保険
制度を根底から揺るがしかねない内容であり、加えて平成15年6月に見直さ
ざるを得なかった再診料逓減制についても患者に対し説明ができないもので
あった。
 このような理不尽な改定を再び実施させてはならない。又、平成14年10月、
平成15年4月実施の制度改正により国民の医療費自己負担は極めて増大し、
強い受診抑制が働いており、医療機関の経営は一層困難となってきている。
 このような状況下にあっても、多様な医療を求める国民に対して、良質な医療
を継続的に提供していくためには、医療提供一体制の再構築とそれに対応する
診療報酬体系を確立し、正当で合理的な技術評価に基づく診療報酬改定が
必要となる。
 以上の観点から本委員会の総意に基づき最重点要望項目として下記12項目
を提起することとした。
(1)初診料・再診料の引上げ
(2)大病院の紹介外来制の推進
(3)入院基本料の改定(特に有床診療所及び精神科)
(4)不合理な処置及び検査点数の見直し
(5)不合理通知の見直し
(6)診療所の位置づけの明確化、大病院への診療報酬の重点的配分の是正
(7)特定療養費制度拡大の歯止め
(8)診療報酬改定の充分な周知期間の設定及び告示・通知の早期化
(9)届出等が必要な診療報酬算定要件の緩和
(10)減算方式からの加算方式への改定
(11)長期投与の制限緩和の一定の歯止め
(12)手術に係る施設基準廃止
以上、重要・緊急項目を列記したが、上記以外の各科要望項目
は別添資料のとおりである